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2008年6月一覧


共学志向が高まる中、私立の女子校のアピール活動が盛んだ。女子校の魅力を伝えようと、バスツアーによる学校見学会や女子校限定の合同説明会といった一風変わったイベントを実施。女性らしさを打ち出すための学科変更も行われた。少子化という逆風にもさらされる女子校は、受験生親子の心をつかもうと懸命だ。(江田隆一、名古屋和希、磯山道彦)

5月15日、小学生の保護者計210人が千葉県市川、松戸両市内にある女子中学校3校をバスで回って、説明を受けた。名付けて「女子中学校見学バスツアー」。説明したのは、千葉県内に3校しかない女子中、国府台女子学院中学部(市川市)、和洋国府台女子中学校(同)、聖徳大学付属中学校(松戸市)だ。

3校は平成17年から合同ツアーを実施。他県から参加する人も目立ち、参加者は年々増加している。今年は170人の予想人数を上回り、バスの台数を急遽(きゅうきょ)増やした。

参加者は各校で校長から理念や学校生活の特徴などを聞き、女子校ならではの作法の授業などを見学した。国府台女子学院の説明会では、平田史郎学院長が「共学校の学校行事は男子中心になりがち。女子が中心に頑張る女子校は社会参加にも役立つ」と意義を強調。保護者も熱心にメモを取っていた。

小学5年の娘をもつ市川市の母親(37)は「女子校は堅苦しい所と思っていたが、自由な雰囲気で好感がもてた」。6年の長女がいる船橋市の母親(37)も「男子と女子は理解の仕方が違う。女子校は意味がある」と好印象をもった様子だった。

東京都内の女子中9校も4月下旬、「女子校アンサンブル 2008」と銘打ち、合同で説明会を開催した。6年前から始め、今年も2000人近くの親子を集めた。

今回の幹事を務めた恵泉女学園の下田千春入試広報部長は「合同説明会の参加者が入学する例も増えている。女子校を理解し、入学してもらえるのはありがたい」と話す。合同説明会を始めて以来、受験者自体が増加しているという。

静岡県の女子高、私立焼津高校は平成13年、普通科から「女子総合学科」に移行。約90種類の講座をそろえ、華道または茶道を必修科目として「女性らしさ」を前面に打ち出すことで認知度アップに成功した。石野直巳副教頭は「少子化のなか、志願者数が増えている」と話す。

5、6月には、ほかにも34校もの女子中が参加する合同相談会が東京都内や埼玉県内で開催。女子校のアピール合戦は激しさを増している。

≪進む中高の共学化≫

中高の共学化は近年ますます進んでいる。日本私立中学高等学校連合会によると、平成19年度の私立の女子中は10年前の9年度に比べて41校減の217校、女子高は143校減の320校。一方で、共学校は中学が153校増の382校、高校が255校増の865校となっている。

共学化が進んでいることについて、進学塾大手の市進学院小学部指導室の水野徹さんは「別学より共学の方が受験生を多く集められるから」と説明。「従来、進学実績がいいのは別学のトップ校だったが、最近は匹敵する伸びをみせる共学校も出ている。少子化のなか、共学化はますます進むのではないか」と話している。


2008.6.4 産経新聞

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