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難関私立中学へ文化祭ツアー


関西系の進学塾が難関私立中学の「文化祭ツアー」に力を入れている。子どものやる気を引き出すのが狙いで、1校に300人を連れて行くところもある。関東系の塾で文化祭に引率する例はほとんどなく、専門家は「そこまでやるか、というのが関西流」と指摘する。

3日、1万人前後が訪れた神戸市東灘区の灘中学・高校の文化祭。小、中学生と保護者の姿が目立つ。派手な光を放つ「化学マジック」、教室一つをそっくり占領した鉄道模型のレイアウト、カメの解剖実験……。教室内での発表が人気を集めていた。

「この『あこがれ』が大事なんです」。引率していた講師の黒田耕平さん(32)はうなずきながら話した。

希学園はこの日、関西一円の教室に通う小学5、6年の塾生約300人を連れてきた。「雰囲気が『行きたい』という気持ちを強くさせる。塾生の志望校の文化祭は可能な限り行く」と入江一郎副学園長。神戸女学院(9月)、大阪星光学院(11月)など関西の中学だけでなく、東京の教室も麻布(5月)や開成(9月)などへ行く。東西合わせて毎年十数の中学の文化祭に引率するという。

文化祭ツアーはもともとは関西の一部の塾が始め、「うちも、ぜひ」という保護者の声にも押され、約10年前から広まりだしたという。

「浜学園」(本部・兵庫県西宮市)も、「灘中合格」と書いたはちまきを締めた講師たちが塾生と保護者ら数百人を灘中・高校の文化祭に連れて行った。灘を含め4校の文化祭見学が恒例行事だという。橋本憲一学園長は「『周りが受験するから』と何となく塾に通うような子を本気にさせるには効果的」と話す。

ただ、関東の文化祭では塾の影は薄い。

3~5日に文化祭を開いた東京都港区の麻布中学・高校。担当者は「学校の実態を見てもらう一番いい機会」と塾生も歓迎するが、実際に引率してやってくる塾は「関西系の希学園ぐらい」。

関西では灘などへ引率している全国大手「日能研」も、関東ではツアーを開かない。「学校選びは家族の責任です」と広報担当者。「サピックス」(本部・東京都中央区)も各校の文化祭の日程を知らせたうえで、家族での参加を呼びかけている。

2008年05月12日 朝日新聞