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追い込みのシーズン「秋」の過ごしかた


2007/10/27 Nikkei Kansai


中学受験に挑む児童にとって秋は追い込みのシーズン。この時期にどこまで成績アップを達成できるかが“勝負の分かれ目”だが、学校行事も多く勉強との両立が難しい季節だ。親子が二人三脚で取り組むのが中学受験。我が子に余計な重圧を与えず、やる気や実力を引き出すにはどう接すればいいのか。専門家や経験者らに注意すべきポイントを聞いてみた。

来年の関西の私立中学入試は1月19日に始まる。中学受験を目指す家庭ではそろそろラストスパートに入る時期だ。だが「焦りは禁物」とクギを刺すのは、子どもの受験を終えた母親らが運営する応援サイト「せんぱいまま・ねっと」代表の山口実千代さん。

中学受験は親も初体験というケースが多い。試験日が迫っても「この勉強方法が良い」など、周囲の声に振り回されがち。山口さんは「我が家のスタイルを守った方が気負わずに力を出しやすい」とアドバイスする。山口さんも長女と次女の受験で「塾から帰った後はゆっくりさせ、家では勉強を無理強いしない」という習慣を守った。

秋は修学旅行や運動会、学芸会など学校行事が集中し、成績が不安定になる子も多い。塾通いや模試のために行事や練習を休ませる親もいるが、山口さんは積極的な参加を勧める。「中途半端に休んで悔いを残すより思い切り楽しむ方が気分転換になる。塾を少しくらい休んでも大勢には影響しないので、親も行事を楽しむ余裕がほしい」と話す。

ストレスや疲労把握を

勉強に励む我が子に「頑張って」と声をかけたくなるのは人情。だが関西で進学塾を展開する浜学園(兵庫県西宮市)の橋本憲一学園長は「子どもは十分頑張っている。安易な『頑張れ』は反発を招きかねない」と指摘する。「この問題はよく解けたね」というように、具体的に褒める方が子どものやる気を引き出せる場合が多いという。

「絶対にこの学校に入りなさい」といった“押しつけ型”や、「なぜできないの」など“追及型”の発言も避けた方が良い。悔しさをバネに奮起する子もいるが、受験に嫌気が差してしまうリスクもある。

秋が深まるにつれ模試も増えるが、結果に一喜一憂するのも避けたい。橋本学園長は「本番直前に模試の結果を並べ、『これだけ頑張った』と自信を付けさせるだけでいい」と話す。

緊張をほぐす最後の手段は「中学受験がすべてではない」と割り切ること。子どもの受験をめぐる心理問題に詳しい芦屋大大学院の井上敏明教授は「子どもが塾通いや受験勉強で受けるストレスや疲労を常に把握し、適切に対処するのが親の役割。無理な勉強を続け、志望校にこだわりすぎると親子で心身に変調をきたす恐れもある」と語る。

悩みは早めに専門家に相談するのが得策だ。臨床心理士による個別カウンセリングを無料で開く浜学園のように、塾も保護者の心のケアに乗り出している。「せんぱいまま・ねっと」では受験を経験した母親がメールで相談に応えてくれる。我が子のためにも1度のぞいてみては……。
(大阪社会部 羽鳥大介)