関西の塾が活発に生徒募集

2007/10/13
関西で学習塾各社が生徒確保の取り組みを強化している。大学受験が主体だった予備校が従来より低学年層の生徒獲得に乗り出したほか、中学受験から大学受験まで長期に通い続けやすい環境を整備する動きも出てきた。大学全入時代を控えた浪人生市場の縮小など、少子化の影響で学習塾を取り巻く環境は激変しており、新たな戦略で生き残りを図っている。
 
ECCは学習塾事業で主力の高校生部門の生徒を確保するため、小・中学生部門を強化する。大阪府南部に直営校9校を展開している小・中学生対象の学習塾「ECCスタディア」で2010年度からフランチャイズチェーン(FC)制度を導入。関西一円と中部でFC50校を設立する計画だ。12年度にはFCで2500人の生徒確保を目指す。
 
ECCは関西などに大学受験対策のECC予備校を22校設置している。予備校の近隣に小・中学生対象の塾を開校することで、将来の予備校の生徒確保につながるとみている。個人経営の塾などは大手予備校との競争激化で経営状態が苦しいところも多く、こうした塾をFCの形で傘下に収めるのも狙いだ。
 
関西を中心に「第一ゼミナール」や「ユリーカ」など123校の学習塾を経営するウィザスは中学受験から大学受験までのコースを1つの校舎に集めた複合型校舎を増やす。中学受験から大学受験まで一貫して面倒を見ることをアピールすることで、長期に継続して通う生徒数を伸ばす。
 
大阪府内の人口密集地を中心に従来の約2倍の年5─7校のペースで複合型校舎を新設する計画。10年3月期までに少なくとも現在の2.3倍の21校に増やすとしており、複合型校舎の増設をけん引役に生徒数も現在の1.4倍の2万1000人にする考えだ。
 
京都を中心に「成基学園」を運営する成基コミュニティグループ(京都市)は、全国大手との提携で生徒確保を図る。大手予備校「東進ハイスクール」を展開するナガセと提携し、京都府と滋賀県で6校の「成基大学受験東進衛星予備校」を展開。主力の小・中学生部門から継続して通う生徒の増加を見込む。
 
10年で13%減
総務省の人口推計によると、近畿2府4県での19歳以下の人口は、06年までの10年間で13%減の約390万人に縮小している。このため、既存の生徒の囲い込みだけでなく、今まで塾に通っていなかった生徒層の獲得に向けた動きも広がっている。
 
関西で「能開センター」など100校の学習塾を持つワオ・コーポレーションは、学校の部活動などで塾に通えない生徒の取り込みを急ぐ。生徒が都合の良い時間に校舎で映像授業を受講する個別指導システム「マイ速」に対応した校舎を年20校程度新規開校。5年後をめどに、マイ速の受講生を現在の4倍の4000人に引き上げる。
 
阪神間などで学習塾を経営するアップは受験を目的としない生徒を取り込む。幼児から小学校低学年を対象に科学実験を教える「サイエンスラボ」や「こどもカレッジ」を今年度中に1校ずつ追加する予定。「幼児期の才能教育を目指す親の需要を取り込みたい」(尾上嘉基常務)と、幼児向け英会話スクールの増設も検討している。
 
文部科学省の「子どもの学習費調査」によると学習塾への支出額は増加傾向にある。1998年から04年までの期間では、小学校から高等学校までの各区分とも学習塾への年間平均支出額が増加しており、学習塾各社の競争はさらに激しくなりそうだ。

 

 

 
 
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